


取締役会長就任にあたって
(株)国際電気通信基礎技術研究所 取締役会長 北岡 隆
去る6月20日に開催された株主総会・取締役会で、故花村前会長の後任としてATR-Iの会長として就任致しました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
ご承知のとおり、ATRは、昭和61年3月に電気通信分野における基礎的・独創的研究の推進、産学官共同研究の場の提供、関西地区における電気通信分野の研究所設立という意義・必要性をもって設立されました。それから10年余を経た今日、世の中は高度情報通信社会の実現に向けて急速に動きはじめており、ATRが当初に掲げた基本理念の重要性がさらに増すにつれ、設立を構想した先達の先見性に改めて敬意を表するものであります。
現在私は、政府の高度情報通信社会推進本部有識者会議委員、郵政省の電気通信審議会委員を務めており、21世紀の高度情報通信社会を実現するための議論に参画させていただく中で、特に電気通信技術が、社会・経済の発展を支え、国民生活の向上を図る上で極めて重要な基盤技術のひとつであるとの思いを強くしております。
今般、ATR-Iの会長をお引き受けし、ATRが取り組む知能映像通信研究、音声翻訳通信研究、人間情報通信研究、環境適応通信研究等最優先の電気通信基礎研究の推進に、会長として微力ながら貢献するとともに、これらの研究成果が、人類の発展のために将来にわたって広く世界に活用されるよう、普及促進に努めたいと思っております。
歴史と文化の香り濃い京都、大阪、奈良の3府県にまたがる関西文化学術研究都市に位置するATRは、国内外のトップクラスの研究者が集い、世界最高水準の研究に取り組み、その成果を再び世界に向けて発信する世界の研究開発拠点としての役割を担うだけでなく、関西地区にとって企業の研究所の集積効果を生み出す中核的研究拠点としての役割も大いに期待されております。
関係各位におかれましては、ATRの活動にご理解を頂き、更なる発展に向けより一層のご指導、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
[略歴]
昭和 6年(1931) 1月29日生
昭和30年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程終了
昭和30年4月 三菱電機株式会社入社
昭和62年6月 同社 取締役北伊丹製作所所長
平成元年6月 同社 常務取締役電子デバイス事業本部長
平成3年6月 同社 取締役副社長
平成4年6月 同社 取締役社長に就任
平成8年5月 (社)経済団体連合会副会長に就任
平成9年6月 ATR-I取締役会長に就任