中間時試験研究報告を終えて



(株)ATR環境適応通信研究所   代表取締役社長 小宮山牧兒





1.はじめに
 環境適応通信研究所は、「環境適応通信の基礎研究」をテーマにATRグループの8番目の研究開発会社として1996年3月に設立され、2003年2月終了予定の7年プロジェクトとなっています。基盤技術促進センター(KTC)の規定により、プロジェクト終了時までに、3年および5年経過した時点でそれぞれ計2回中間時評価が実施されることになっており、当所の第1回目の評価が、昨年度実施されました。評価は、技術評価、経済性評価の両方からなっており、1999年4月提出の中間時試験研究報告書および同年6月提出の中間時報告書(経済性評価)に基づき行われてきました。
 技術評価の結果は、研究の進捗状況、最終研究目標の妥当性、研究の進め方ともに大変好意的な高い評価となっています。今後の研究の進め方として、基礎となる学問を固めることに留意するとともに、技術的観点のみだけでなく社会科学や人間科学等の学際的な見地にも配慮して進めるようとの提言を頂いております。以下に、技術評価のため作成した中間時試験報告書に基づき、3年間の研究進捗について報告します。

2.研究の概要
 情報通信のマルチメディア化、モバイル化、パーソナル化の進展により、特性の大幅に異なる異種ネットワーク、異種端末、さらには多様なアプリケーション、利用形態が複合する状況での通信が必須となり、通信環境は今後ますます、多様化、複雑化してきます。本試験研究の目的は、このような通信環境の多様化、変化に対し、システム自体が自律的に適応し、ユーザにネットワークや端末の制約を意識させない、柔軟でロバストな、言わば「やわらかい」マルチメディア移動通信を実現するための基盤となる適応通信技術の研究開発にあります。以下の4サブテーマについて研究を進めており、ソフト、ハードの両面から当該基盤技術の確立を目指しています。図1に、各サブテーマの位置付けを示します。
(1) 環境適応システムの構成・評価技術
 本サブテーマでは、アプリケーションを、そのときどきの利用、動作状況に応じてフレキシブルに利用できるようにするため、アプリケーションのユーザビリティを高めるように自律的に適合していく環境適応情報通信システムの構成・評価技術の確立を目指しています。例えば、ネットワークの混み具合、端末の資源の使用状況に応じて、画像サイズ、画質といったサービス品質(QoS)を調整することにより、通信環境に適合していくようなシステムを実現しようというものです。このため、適応型ネットワーク、および適応型アプリケーションに取り組み、それを実現するためのシステムアーキテクチャ、およびキー要素技術を研究しています。また、不確定な環境、特に人(ユーザ)に適応するシステムの実現を目指し、ユーザ適応システムのデザイン戦略・方法、およびシステムアーキテクチャについても研究を進めています。
(2) 環境適応システムの設計・制御技術
 ユーザの情報通信サービスに対する要求に応じて行われる端末設備やアプリケーションソフトウェアの新設、更改は、保証すべき通信品質の多様化や変化、情報量の増大や変動等となって現れますが、このような環境変化に対しても自律的に適応できる、柔軟でロバストな情報通信ネットワークを構築する上で必須となる設計・制御技術について研究しています。具体的には、情報通信システムを最適設計、適応制御するためのアルゴリズム(手順)の開発と、この最適設計・適応制御アルゴリズムの実行に必要な、膨大な量の情報を高速に処理するための新しい処理アルゴリズムについての研究を進めています。前者では、ATRで独自に開発した高次元アルゴリズムを中心に研究を進めています。また、環境適応システムにおいては、人間(ユーザ)が環境変化の源として重要な位置を占めるので、その行動や応答、評価をシステムの設計・制御に生かすこと、さらには人間との関係も含めたシステム全体のデザインや評価の枠組みの提案も課題の一つとしています。
(3) 適応型広帯域無線アクセス技術
 将来のマルチメディア移動通信ではより広帯域なディジタル信号を扱うためにマルチパス波や干渉波による通信品質劣化の影響が一層顕著となります。これを克服するため、アレイアンテナと時間空間融合の信号処理技術を組み合わせることにより、アンテナの指向性(アンテナ感度の角度依存性)を移動体の動きとともに変化させ、常に希望する電波だけを受信できるアンテナ(環境適応アンテナ)の研究を行っています。また、広帯域化の要求と現在使用中の周波数の逼迫とにより、マイクロ波帯やミリ波帯周波数の利用が避けられなくなった場合の移動通信システムを想定し、光と電波の技術を融合させることにより、電波の技術単独では実現の難しい広帯域性を持ったアンテナ技術や回路技術を確立するマイクロ波フォトニクスの研究を進めています。
(4) 高等機能デバイス技術
 通信システムの適応性を高める上で効果的なネットワークデバイスの設計指針を明らかにし、その要素技術を確立することを目標とした研究を行っています。一つは、適応性を高める上で基盤となる高速・大容量伝送やマイクロ波フォトニクスの高度化に不可欠な高速・高効率光デバイスを目指した半導体機能デバイスの研究です。特に、ATRで実績の有る特殊な面方位の基板の特性を活かしたレーザや、光検出器に重点を置いて進めています。他の一つは、カオス等に代表される非線形ダイナミクスの利用により、大規模なハードやソフトの搭載が難しいマイクロデバイス間での柔軟なリンク形成を可能とする適応リンクデバイスの実現を意図した、ダイナミック機能デバイスについての研究で、従来のデバイスと異なる機能の発現を目指しています。

3. 研究進捗状況
3.1 研究実績
 研究スケジュールを今回の中間時評価を境に、前期、後期と分け、前期は、コンセプトの提案および要素技術を広範に探究するフェーズと位置付けて研究を進めてきました。
 3年を経過した時点での主要な成果としては、階層型マルチエージェントによる適応型情報通信アプリケーションの基本フレームワークの提案、WACNet(Wireless Adhoc Community Network)、ソフトウェアアンテナ、適応機能デバイス等の新しいコンセプトの提案、大変複雑な問題となるパケット交換ネットワーク最適ルーチング法の高次元アルゴリズムを用いた解明、新しい構造の面発光レーザの開発等が挙げられます。
 この結果、447件の研究発表、81件の特許出願に結びつくとともに、学会からの表彰2件、学位取得者1名、技術図書の出版1件、また、出資企業との共同研究で実用的な成果に結びつく実績を上げるなど高い評価を得てきました。この他、1996年12月には、日本で初のマイクロ波フォトニクス国際会議(MWP'96)がATRで開催され、当所は現地委員として会議の成功に大きく貢献しました。1998年には、当所主催の「ATR自律適応システムワークショップ」、「ATRレーザカオスワークショップ」を開催してきました。サブテーマ毎の研究実績の概要を以下に記述します。
(1) 環境適応システムの構成・評価技術
 適応型ネットワークについては、ネットワークインフラに簡単にアクセスできないような状況においても、そこに一時的に集まった不特定多数の人々の間の情報通信を効率的に処理できるネットワークとして、ワイヤレス通信を利用したアドホックコミュニティネットワークWACNetのコンセプトを提案しました。WACNetでは、ネットワークが通信トラヒック需要に合わせて発生、消滅、さらには自己再構成する適応機構をもつことにより、通信需要に対する高いスケーラビリティの実現を目指しています。そのための構成技術として、WACNetの基本アーキテクチャ、および、これを実現するためのキー要素技術であるネットワークトポロジー制御方式、ルーチング制御方式、動的メディアアクセス制御方式を考案し、計算機シミュレーション、および、実験システムにより、各要素技術の検証・評価を進めました。図2は、考案したネットワークトポロジー制御方式の概念図で、動的セグメンテーションによりトラヒック需要の変動に適応します。ネットワーク資源の有効利用を実現するため、各セグメント間で中継されるトラヒック量が最小となるようにセグメント化しています。セグメント化のルールは、グラフ分割問題に還元でき、分割アルゴリズムとして従来のMin-Cut法を改良したEPMC(Enhanced Pairing Min-Cut)法を考案するとともに、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いることにより、図に示すようにEPMC法よりさらに短い処理時間で最適解が実現できるという結果を得ています。
 適応型アプリケーションについては、性能の異なる端末/ネットワーク、さらには要求の異なるユーザが混在し、しかもその状況が時々刻々変化するような、不均質で動的な環境、特に、モバイル環境においても利用できる適応型マルチメディアアプリケーションを実現するためのプラットフォームとして、分散型マルチメディアアプリケーションにおけるメディアストリームのQoSマネジメントを対象に、適応的QoS制御通信プラットフォームの基本フレームワークを提案しました。さらに、本フレームワークに基づくシステムアーキテクチャとして階層型マルチエージェント素技術の検証・評価を進めました。
 また、ユーザ適応システムについては、アーキテクチャを検討するためのモデルとして、複数の自律適応エージェントが相互作用する適応マルチエージェント系を考え、エージェント間の相互適応ダイナミクスを観測するため、ダブルスで対戦するカードゲームを題材とした実験系の構築を進めました。適応エージェントを設計する中で、環境(他のエージェント)と相互作用することにより機能を獲得する発達適応システムのコンセプトおよびアーキテクチャを考案しました。
(2) 環境適応システムの設計・制御技術
 最適設計・適応制御アルゴリズムの研究では、設計・制御の目標となる最適値を求める手法として、高次元空間で構成された力学系の自律的運動を利用した高次元アルゴリズムを提案するとともに、各種システムを最適設計、適応制御するための戦略を提示しました。この手法により、パケットの遅延時間を増加させずに通信ネットワーク全体の通信容量を拡大できること、動的なルーチングにおいて平均遅延時間の短縮を図るには、トラヒック負荷に応じたルーチング政策を採用すべきであることを明らかにしました。一方、蟻コロニーをアナロジーとしたネットワークの故障に強い、エージェントを利用した適応型ルーチングを提案、評価し、その有効性を実証しました。また、上記高次元アルゴリズムを新機能物質材料のデザインおよび建物エネルギーシステムの最適設計に適用し、その有用性を実証しました。図3に高次元アルゴリズムの各種応用例を示します。
 新情報処理アルゴリズムの研究では、計算処理機構の観点から、量子力学に基礎を置く情報処理について検討しました。その結果、古典的論理素子の性能限界の明確化、量子素子によるその限界の克服の可能性確認、量子的な1ビットの制御限界の明確化等、原理的な性能に関する知見を得るとともに、論理素子を結合して得られる論理回路に関し、設計上の問題点を明らかにしました。一方、ソフトウェアの観点からは、ソフトウェアの合成や環境適応のメカニズムについて基礎検討を行い、ソフトウェア反応、生成物の調整、知的な機械主導あるいは支援の三つの範疇からそれを捕えるべきことを提唱し、原理の解明、モデル化を行いました。
 人間適合情報処理の研究では、静止画像を対象に、視覚特性を考慮した画像品質評価基準を構築し、この評価軸によるJPEG量子化テーブルの最適化手法を提案し、有効性を確認しました。また、人間(ユーザ)に適合する情報通信システムの構築に向けて新しいデザイン戦略・手法を開発するため、デザイン行為の分析を行い、基本フレームワークとして、人間を含むデザインループを提案しました。また、システムを社会科学的にマクロ評価するため、若い世代がインターネットを利用するきっかけ等の調査、分析を実施しました。
(3) 適応型広帯域無線アクセス技術
 環境適応アンテナの研究においては、高品質な移動通信を達成するため、時々刻々と変化する電波伝搬環境を認識し、それに応じて最適なアンテナ構成を推定した上で、適応制御アルゴリズムとFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを瞬時に再構成することによって最適受信を行うことのできるソフトウェアアンテナの概念を構築しました。このうち、伝搬環境認識については、干渉波やマルチパス波の到来方向の高精度推定法の提案や、アレイアンテナ受信波の相関行列の固有値分解に基づいた認識法の考案などの成果を得ました。最適なソフトウェアアンテナの構成に関しては、ディジタルフィルタの設計法や帯域分割/合成型信号処理による構成法を確立しました。またアルゴリズムの高性能化については、時空間信号処理を用いて高速演算アルゴリズムを提案し、マルチメディア移動通信の高速高品質性を可能にする基礎的研究成果を得ました。さらに、これらの理論検討を実証するため干渉抑圧実験装置の試作を進めました。図4に、ソフトウェアアンテナの概念図と、FPGAを用いて試作した干渉抑圧信号処理回路を示します。
 マイクロ波フォトニクスにおいては、光の空間並列信号処理機能を利用したマルチビーム受信アンテナや高速化が可能な2次元ビーム走査アンテナ、独立ビーム走査可能なマルチビームアンテナの構成法を提案するとともに、前2者については試作実験により所期の機能が実現できることを確認しました。なおマルチビーム受信アンテナについては、アンテナ素子毎にローカル周波数と位相を違え、周波数領域においてビーム弁別を行う方式と位相変調器と導波路をリチウムナイオベート(LiNbO3)基板上に一体化した方式のそれぞれについて機能確認を行いました。また、電気−光変換素子(変調器)について線形性と高効率特性が同時に得られる単純な構成法を考案し、実験によりこれらを確認しました。さらに周波数可変範囲の広い安価なミリ波源としてファブリペローレーザに注入同期をかける方法を考案し実験によってその妥当性を確認しました。また、ミリ波サブキャリア方式において複数のRFキャリアを伝送する場合、PD(光検波器)の非線形性が奇数次の歪みのみならず偶数次の歪みを発生させることを解明しました。
(4) 高等機能デバイス技術
 半導体機能デバイス研究では、化合物半導体(ガリウムひ素)超格子および歪超格子の新たな物性探究、およびこれまでデバイスの高性能化等に利用されることのなかった超格子のX量子準位や高指数A面の特徴を活用した光デバイスの研究・開発に取り組みました。前者については、キャリア輸送過程の解明等を基に、異なる通信媒体の自由な変換・結合に寄与する光−電波変換デバイスの開発前提となるアンドープ超格子での光励起電流連続発振を実現するとともに、歪み制御による正孔量子準位のミキシングを利用した高速・高効率光変調デバイスの開発に道を拓きました。後者に関しては、中赤外光の通信利用を目的に超格子でのX-Г共鳴によるサブバンド間電子遷移を利用した独自の量子カスケードレーザを提案し、サブバンド間電子遷移発光の前提となる高次サブバンドへの電子注入に成功しました。また、高指数A面の物性解明を基に、並列大容量光通信用光源として期待される面発光レーザの高性能化やそのような通信システムで必要とされる受光デバイスの開発に取り組み、高指数A面の光学異方性を利用することで安定な偏波モード特性を有する面発光レーザが実現できること、高指数A面段差基板を用いることで高速・高効率駆動が期待できる横型接合面発光レーザや横型接合受光デバイスが実現できること等を実証しました。図5に、レーザの構造と、その発光パターンを示します。
 一方、ダイナミック機能デバイス研究では、適応リンクデバイスの提案と機能検証に加え、将来、適応リンクデバイスで実現可能な通信やネットワーク形成に関する研究を進めました。適応リンクデバイスの提案と機能検証では、リンクデバイス開発の背景となる非線形光ダイナミクスや量子カオスの研究に取り組み、光誘起屈折結晶でのレーザビームによる自律光リンクのモデル化や多様な波長や出射方向を取り得る微小共振器レーザの発振現象のモデル化に成功しました。また適応光リンクデバイスの例として、光リンクの探索や形成に役立つカオスミラー、レーザビームの伝搬方向制御デバイス、リンク形成に適した波長の光を選択、放射する自律波長選択レーザを提案し、有効性を示しました。本成果により、リンクデバイスに不可欠な多様な信号発生や柔軟なリンク形成が、非線形ダイナミクスを利用したシンプルなデバイス構成と制御で実現できることが分りました。適応リンクデバイスで実現可能な通信の探索では、その例として、非線形アルゴリズム(非線形ダイナミクスのアルゴリズム応用)によって発生させたカオス信号による情報の変復調と独自の同期法を組み合わせたコード多重通信や暗号通信、および画像電子透かし法を提案し、有効性を示しました。本成果は、将来、情報のセキュリティや多重化を可能とする高度な通信が、非線形ダイナミクスを利用した適応リンクデバイスやモジュールで実現できることを示唆するものとして重要です。また、併せて、適応リンクデバイスで形成されるネットワークのシミュレーション実験を行い、多段リンクの自律形成に見通しを得ました。
3.2 研究目標の重点化とアプローチ法
 適応通信技術の適用先を、将来のマルチメディア移動体通信に重点化して研究を行ってきました。現状では、マルチメディア移動通信のインフラ整備を目的として、無線環境を有線環境に近付ける技術の研究開発が中心的に行われていますが、本試験研究では、マルチメディア移動通信環境下で必然的に起こるネットワークや端末の違いによる制約等を、システムの適応性を高めることに重点を置いて取り除くことを目指している点にアプローチとしての特徴が有ります。適応通信技術を、物理レイヤと上位レイヤに分け、物理レイヤではソフトウェアアンテナとマイクロ波フォトニクスに基づく広帯域回路技術により、高品質な環境を上位レイヤに供給することを目指し、上位レイヤでは、アプリケーションの利用環境の変化をサービス品質を適応的に制御して吸収する技術と、トラヒック等の変動に対して自己組織化しながら適応するネットワーク技術の構築を目指しています。最終的には、適応技術として自律適応も視野に入れており、通信システムにこのような概念を取り入れるアプローチは、極めて新しい試みと言えます。
3.3 研究体制と研究交流
 サブテーマに対応した4研究室体制を敷いています。研究員数は、発足時31名でしたが、1999年度末で48名に達しました。出向研究員(18機関から)が、8割弱を占めており、平均3年間勤務後出向元に復帰し、通常は後継の出向者と交替します。プロパーの新規採用が難しい中で、研究の継続性が損なわれるのを防ぐため、長期に滞在可能な客員研究員をグループリーダーに配置する等の工夫によりプロパー研究員の不足を補ってきました。また、人材を国外にも積極的に求め、3年間で延べ11名の外国人客員研究員を受け入れました。
 研究の広範な展開、活性化を目的として他機関との共同研究も、国内外で積極的に進めました。国外では、Paul-Drude Institute(ドイツ)、Unversita Degli Studi Lecce(イタリア)、Universidad Polite´cnica de Madrid(スペイン)と共同研究を実施しています。甲南大学とは、連携講座を実施しています。

4.今後の研究計画
 移動通信はマルチメディア化、ITS(高度道路交通システム)を軸に大きく発展すると予測されており、その経済的波及効果も莫大な規模と予見されています。これらの波及効果の成否に大きな影響を及ぼす要因として、ユーザの使い勝手の良さが上げられます。本試験研究で実施している適応通信技術は、ユーザにネットワークや端末の制約を意識させない情報通信システムの実現を目指したものであり、このような観点からも、その必要性は今後益々重要性を増すものと思われます。
 今後は、主要な要素技術の高度化を図り、適応通信技術のコンセプトをより定量的な形で明らかにし、各サブテーマの融合を図りながら統合実験に向けていく予定です。