皆川晃
ミリ波帯高アイソレーション
MMIC FETスイッチの検討
Abstract:PINダイオードやFETなどを用いた高周波半導体スイッチは、小型で、低消費電力動作が可能であり、移動通信や衛星通信において、送受切り替えスイッチ等に用いられている。PINダイオードを用いたものは、ON/OFF制御のためにバイアス電流が必要であり、消費電力がやや大きい。また、GaAs FETを用いたものは、FETを一種の受動素子として使用し、FETのチャネル抵抗がゲートバイアスによって著しく変わることを利用して、スイッチをON/OFFさせる。よって、ドレインバイアスが不要となり、スイッチの消費電力をゼロにできる。
一方、近年ミリ波帯を利用したパーソナル通信システムや無線LANなどの開発が盛ん
に行われるようになってきた。しかし、FETスイッチをミリ波帯で用いる場合、FETの
OFF時の容量をゼロにできないため、FETが伝送路に直列装荷される場合には、この容量
が、高周波、特にミリ波帯におけるアイソレーションを著しく低下させる。
そこで本報告では、ミリ波帯において高アイソレーションを得るためのMMICFETスィッチの新しい回路構成を提案し、その構成法、および試作結果について述べる。