その結果、セルフダイプレクシングアンテナでは送受間のアイソレーション 量として50dB以上の値を実現し、フィルタ重量軽減の可能性を明らかにした。ま た、コンフォーマルアレーでは、移動体衛星通信に適した形状を明らかにすると ともに、16素子部分球面アレーの一体成形を行い、最終的に19素子平面アレーと遜 色のない良好な特性を実現した。DBF回路では、移動体衛星通信用アレーに適用 する場合に必要な回路構成およびその演算量について明らかにするとともに、 16素子アレー用のマルチディジタルシグナルプロセッサ(マルチDSP)構成を用い た送受DBFアンテナを試作し、実時間処理システムとしての評価を行った。さらに コンフォーマルアレー、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)、DBF回路の 各要素技術を統合し、移動体衛星通信用アクティブフェーズドアレーとしての性 能評価を行い、その実現性の確認を行った。