①巨大なロケット段の燃焼実験塔(出力1200t,燃料容量500t)
②世界最大のロケット「エネルギア」のタンク製造プラント(建屋高さ72m及び120m),タン ク38mX8mΦ
③衛星搭載用の光学機器,液体窒素小型冷凍機
④鳥の羽毛のような電波吸収材料,医用炭素ゴム(純粋の炭素),高張度ステンレス(強度3倍),熱絶縁体(カーボン・カーボン),電波透過性シリコンレジン,燃えないプラスチック,Al+Mg合金(密度小さくAlの60%,強度大),Be合金,超合金(Ti+Fe)などの各種材料。
⑤惑星探査における7つの記録
⑥宇宙船「ミール」の2人の飛行土による船外活動の実況放映
全体としてロシアの宇宙開発は、冷戦下の軍拡競争の下で長年にわたって優秀な頭脳,資金,資源など国力をかけて推進され、巨大なシステムとなっている。これだけのものを維持発展させれば、国力が傾くのは当然だと言えよう。(我が国の宇宙開発予算(約2千億円)を全部投入しても施設の維持費も出ないであろう。日本が年2回打ち上げているようなロケットを毎週1回打ち上げており、「エネルギア」は、日本で開発の遅れている「H-II」ロケットより10倍も強力である)。冷戦構造が崩壊した現在、このような技術を人類の平和・福祉にどのように生かして行くかが今後の課題であり、我が国を含めて先進諸国の宇宙開発計画の枠組の再検討が必要となっている(本ミッションと相前後して、NASA長官がモスクワ入りしている)。間接的ではあるが、これらの動向はATRの将来計画策定にあたっても考慮しておかねばならない要因である。