平岡孝啓,竹中勉,徳満恒雄,相川正義
昭和61年度試作MMICの能動素子特性評価
Abstract:ATR光電波通信研究所では、適応制御型アンテナ及び移動機の超小型化・高機能
化等に向け、モノリシックマイクロ波IC(MMIC)の高集積化の研究を行っている。昭和
61年度、共平面小型化MMICおよび多層化MMICの試作を行い、順次これらの実験・評
価を進めている。本報告は、この試作MMICについて回路の基本的な特性を決定する上
で重要な能動素子(FET)の特性およびその評価について示したものである。具体的な内容として、ばらつき等のFETとしての基本特性を示すとともに、次回の設計を行うため
に必要なモデル化を行い、小信号モデルを求めた。また非線形モデルを初めて使用し、
モデルの導出結果及び問題点を示した。最後に、さまざまな形状・接地形式を持つFET
の特性を示すとともに、形状から物理的に考えられる等価回路のパラメータの変更によ
り容易に説明できることを示した。