TR-M-0006 :1996.4.4

西羅光, 間瀬健二

イメージベース仮想環境生成の研究

画像系列からのパノラマ画像の生成

Abstract:仮想的に3次元空間を構成し、その中の空間を自由に行き来できるようなシステムを構成することを考えるとき、その構成には二つの方法が考えられる。 一つはコンピューターグラフィックスを用いるもので、仮想的な環境のデータ(形、色、大きさなど)を用意しておき、視点を変えたときの画像をコンピューターによる計算で求め表示していくものであり、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使ったヴァーチャルリアリティーのシステムなどはテレビなどでも紹介され一般的にも広く知られている。この方式はどのような視点の画像でも表示でき、物の形などのデータも、単純なものであれば、それほど大きなものにはならないという利点がある一方で、計算機による高速な処理が要求されるので、実画像に匹敵するほどリアルな画像は現在のところ扱うことはできない。また画像処理専用のプロセッサーなどハードウエアの面で大掛かりで高額なものが必要になるなどの欠点がある。 もうひとつの方法にカメラなどで撮影した実画像をもとに仮想空間を構成するという方法がある。この方法の場合、視点の方向が限られることや、大きな画像データを何フレームも用意しておかなければならないなどの欠点はあるものの、よりリアルな画像を手軽に表示できるという利点がある。この方式を利用したものとして、すでにQuicktime VR(アップル社)などの商品も発売されている。この方式の場合、パノラマ画像を作ることが共通の課題になってくる。 今回の実習では実画像系列からパノラマ画像を作るアルゴリズムの実現を目標に、いくつかの手法を用いて画像の合成を試みた。