TR-M-0001 :1996.2.8

安部伸治

3次元仮想物体生成・編集システムにおけるドメイン遷移メカニズムの実現

Abstract:著者らは,3次元形状に関する概念的な表現を体系化した知識を利用して,形状に関する言語的な表現をグラフィクスパラメータのレベルまで翻訳することによって,仮想物体の生成・編集を実現する手法の確立を目指している.このような手法では,形状に関する概念知識は多領域にわたるきわめて大規模なものが必要となるが,知識の構築や格納の効率を考慮すると領域(ドメイン)毎に個別化するほうが有利である.ところがドメイン個別化によって,それを利用する際に利用者が参照ドメインを意識的に選択しなければならないような状況では,利用者から見た表現は制約を受けることになりかねない.そこで本論文では個別化された知識を統合的に利用して,見掛け上ひとつの多領域にわたる知識としての扱いを可能とするドメイン遷移メカニズムを提案する.本論文で実現した機能は次の通りである.(1)仮想物体の生成・編集過程において,利用者が用いた説明や仮想物体の形状などから,文脈の変化を検出する機能.(2)変化した文脈に適切に追従し,常に的確なドメインを参照する機能.