Takayuki YAMAOKA, Hitoshi IIDA
A method to predict the next utterance
using a layered plan recognition model
Abstract:本報告では,音声言語処理システムにおける音声認識候補の曖昧性削減のための
文脈情報適用手法について述べる.現在の音声認識技術では,完全な音声認識を行な
うことは不可能であり,多くの場合複数の曖昧な候補を残す.一方,言語処理技術は
誤りのない入力を仮定しており,複数候補の入力はその処理効率を落すことになる.
特に,話し言葉に特有な発話意図を表す文末表現や対話で慣用的に利用される断片的
な表現の曖昧さは,対話翻訳において重要な役割を果たすにも関わらず,従来の技術
では扱われていなかった.
本報告では,まず,話題に関する知識に加え対話運用の知識を利用した階層型プ
ラン認識により対話理解を行ない,その理解状態をスタックにより管理する.そし
て,そのスタックを参照することにより,次発話に関する抽象的な文脈情報を得る手
法を提示する.さらにその文脈情報を基に,音声認識表現候補を選択する手法を示
す.最後に,発話意図に関する語用論知識の設定を行ない,実験により,本稿で提示
する手法の発話意図に関する表現の曖昧性削減への有効性を示す.