岩本俊弘,野村竜也
Kohonenマップのシミュレーション
Abstract:1、2、3次元の入力信号に対し、Kohonenの自己組織化マップ(SOM)のシミュレーションを行った。
SOMとは、ニューロン間に幾何学的構造のあるニューラルネットワークであり、各ニューロン
に入力信号ベクトルと同じ次元の荷重ベクトルが割り振られている。
ある入力信号を与えたとき、各ニューロンの荷重ベクトルとの距離を計算し、その距離の
もっとも小さいニューロンが勝者となる。つまり、入力信号をSOMに与えたときの出力は、勝者ニューロンの位置である。
ある入力信号で学習を行うには、勝者ニューロンとその近く(この「近い」はニューロン間
にあらかじめ与えられた幾何学的構造によって定義する)のニューロンの荷重ベクトルを、入力信号に近付くように修正する。
SOMの各荷重ベクトルを収束させるには、学習において入力信号に近付くように修正するニューロンの範囲を時と共に狭くして、係数kを小さくしていく。
いずれにおいても良い成績を収めたのは、1次元のSOMである。ここで用いた信号は全て、市松模様に分布している。このような場合、2次元のSOMでは、市松模様が交差する中央部を面で
横切るので横の広がりを持ち、誤答の原因となるが、1次元のSOMでは線で横切るため、誤答が起こりにくいことに依ると考えた。