TR-H-0058 :1994.2.24

関努,邊見均

CAM-Brainシミュレータの高速化 プログラムの改良とCM-5への移植

Abstract:CAM-Brainは、Cellular Automata Machine(CAM)上で、自ら成長し進化するニューラルネットを作ることを目的としたプロジェクトである。しかしCAM-Brainで使われる必要な状態遷移ルールはかなり多く、そのシミュレーションは、ワークステーションSPARC station 10を用いても遅かった。 そこで、シミュレーションの高速化のために3種類のプログラムを作成した。まず、元のシミュレーションをプログラム本体に改良を加えた。次に改良を加えたプログラムを並列処理計算機であるCM-5に、MIMDプログラムとして移植を行った。このプログラムは、CAMプレーンをいくつかに分割し、それぞれを並列に処理することによって高速化をはかった。その結果、シミュレーション速度は同CPUを持つワークステーションの約4倍になった。これら2つのシミュレーションプログラムは、CAM-Brainの状態遷移ルールを開発時に使用するために作成した。3つめに作成したプログラムは、将来状態遷移ルールが完成したときに、CAM-Brainを成長/進化させるためのものである。これは異なる遺伝子を並列に処理するプログラムであり、CAM-Brainが進化する速度が約30倍になった。