TR-C-0156 :1996.3.15

張遷仁

領域知識に基づく通信ソフトウェア要求獲得支援手法

Abstract:最近、B-ISDNをベースとした通信の高速・広帯城化、マルチメディア化が急速に進展しており、通信技術の発展が著しい。これに伴い、より高度で円滑なコニュニケーション手段を提供する通信サービスの実現が可能となりつつある。そのため、迅速かつ多様な通信サービスに対する利用者ニーズが日増しに高まっている。 しかし、いままで通信サービスの仕様定義は、主に通信分野に精通する専門家によって行なわれ、ユーザの新しいニーズヘの的確な対応が難しい。その理由としては、(1)専門家がユーザ(特にビジネスユーザ)の要求を把握しきれない(2)専門家の数が限られるなどが挙げられる。従って、一般ユーザ自身による通信サービスの定義が必要とされる[1]。 ここに二つの問題がある。一つは、通信サービスの発想支援問題である。通信サービスを定義するにはユーザによる通信サービスの提案を支援する必要がある。もう一つは、ユーザの通信サービス記述支援問題である。通信サービスに関する知識を持たないユーザは新しい通信サービスに対する要求があっても、完全な通信サービスを記述するとは限らない。そのため、ユーザの通信サービス記述作業を支援する必要がある。 本研究は、これらの問題の解決を目的とし、次の二つの課題に関して議論を進める。

1通信サービスの発想支援手法

2通信サービスの記述支援手法