MUNEO IIDA, AKIRA TOMONO, YUKIO KOBAYASHI
視線検出に関する研究について
Abstract:ここ数年間のコンピュータの飛躍的な進歩に支えられた、情報の高度化及び社会全体の情報化の流れは、人間と機械との接点であるインタフェースにおいても、より高度な情報をより自然にやりとりできるようなヒューマンインターフェースを要求するようになってきた。
ところで、ワードプロセッサ等において、編集箇所を視線に連動して動かしたり、メニューを視線によって選択するができれば、よりスムーズな文章作成が可能になると考えられる。また、CADシステム等において、製品の表示方
向の変更や、ある部分を拡大する場合、これを設計者の顔の位置や眼の向きに対応させることができれば、より自然な作業が可能となるであろう。
このように、視線や身ぶり等を利用する事により、より高度で自然なヒューマンインタフェースを実現することが可能と考えられる。特に、視線は人間の興味対象を忠実に反映するため、指示入力装置としての利用が期待されている。
視線を情報機器などの指示入力に利用しようとする試みはMITをはじめい
くつかの研究施設で行われてきたが、これらの研究では顔に視線検出のための装置をとりつけたり、顔の固定が義務ずけられているものが主流であり、人間の自然な指示動作を可能にするようなシステムはまだ見あたらない。また、精度的にも指示入力に利用することを考えると十分とはいえない。
本研究では視線を用いたより自然な指示操作を可能とするシステムを実現するために、以下の条件を設定し進める。
1)人間の顔に検出部を固定しない非接触型検出法であること
2)人間の顔の動きを許容すること
3)調整及び連用が簡単であること
4)高精度であること