加藤隆仁
Objective-Evaluation of Handwritten
Character Quality
Abstract:高認識率の手書き文字認識装置の開発には文字変形への対応
が大きな問題である。ここでは手書き文字の変形に雑音、かすれ、つぶれ
等を含めて文字品質と呼ぶが、この文字品質を定量化することによって、
文字認識技術の評価が可能となる。文字品質定量化のためには、その尺度
の検討が重要であるが、それに関する研究はこれまであまり多く行われて
いない。本論文で問題とするのは、手書き文字の品質を反映する定量化尺
度とそれによる文字品質の定量化である。
まず、人間がどのように文字品質を決定しているのかを調べることによ
って、手書き文字の品質の決定要因を分析した。この結果、人間は共通の
評価基準を持っていることが分かった。また、人間は手書き文字の品質を
再現性高く安定して評価できることが分かった。更に、人間の文字品質の
評価特性と文字品質の決定要因の分析について述べ、品質決定要因の定量
的評価尺度を提案した。すなわち、(a)ストロークの分布(b)黒画素
の分布(c)線の太さ(d)縦横比(e)バランスを反映した品質評価尺
度である。最後に、これらの定量的評価尺度を用いて、手書き文字の品質
を客観的に評価できることを示した。客観的な定量評価を行った結果は、
人間による評価と同等の評価ができた。
Key Word : Character Quality, Quality Evaluation, Hand-written
Character, Optical Character Recognition, Pattern Recognition