TR-SLT-0069 :2004.04.28

小窪浩明,山本博史,菊井玄一郎

言い直し音声の精度向上に関する検討

Abstract:音声認識を用いたシステムでは,認識誤りを避けて通ることは出来ない.一般 に,認識誤りが生じると,発話者は正しい認識結果を得るために同じ発話を 繰り返す(言い直し).本研究では,この言い直し発話に対する音声認識性能を向 上させることを目的とした検討を行った.はじめに言い直し音声データの収集 と収集した音声データの特徴について報告する.次に,言い直し音声の認識に ついて,言い直し前の音声認識結果を導入すること効果について実験結果を示 す.評価話者3名の言い直し音声に対するベースラインの文認識率61.8%に対 し,語彙制約によるアプローチでは63.9%,ROVER法に基づくアプローチで は63.3%,音響スコアの平均によるアプローチでは64.2%と,それぞれのアプ ローチについて認識性能の向上効果を確認した.