TR-S-0017 :2001.2.23

矢代智也,西浦敬信

マイクロホンアレーを用いた適応型ビームフォーミング におけるアレー信号処理

Abstract:現在、マイクロホンアレーを用いた遠隔発話音声の高音質(高SN比)受音が注 目されている。しかしマイクロホンアレーを用いて音声を高音質に受音するためには 話者方向推定が必要となる。そこで本報告では方向推定法として、遅延フィルタによ り信号のパワーを利用するDelay and Sum Array(DSA)、信号の相関行列に対する 逆行列を利用するMimum Variance method(MV)、相関行列から推定した信号部分 空間と雑音部分空間の直交性を利用するMUSICの3手法により評価実験を行い、比 較・検討を行う。その結果DSAは残響下でも安定しており、マイクロホン数が多い ほど精度が高くなることを確認した。次にMVは暗騒音に強く、マイクロホン間隔 を大きくとるほど分解能が高くなる傾向があった。最後にMUSICは特徴として鋭い 指向性を持つため、音波数が既知の場合有用な方法であること確認した。今後の検討 として残響に頑健なアレー信号処理法の検討が必要であると考えられる。