TR-O-0035 :1989.8.31

鴫原亮,岩崎久雄

スロット結合マイクロストリップアンテナ

Abstract:本報告書は、将来の移動体通信システムなどで必要になると考えられる高機能なアクティブアレーアンテナに用いるアンテナ素子について、実験的検討を中心とした研究成果をまとめたものである。 第1章では、本研究の背景、目的、全体計画の中での位置付けを明らかにする。 第2章では、技術課題として、将来の移動体用アンテナヘの要求と、この要求を満たす可能性のあるアンテナ素子の調査・検討について述べると共に、問題点を明確にし、研究対象とするアンテナ素子として「スロット結合マイクロストリップアンテナ」を選択した理由について述べる。 第3章では、スロット結合マイクロストリップアンテナに関する各種の実験結果を示す。まず、スロット結合マイクロストリップアンテナの基本特性を示し、本アンテナが、スロット長によりアンテナの共振周波数と入力抵抗を制御出来るという特徴を有している点について明らかにする。次に、この特徴を用いて開発した、2周波共用アンテナ、円偏波アンテナ、及び広帯域アンテナについて、その構成と特性を示す。 第4章では、第3章で検討した2周波共用アンテナを素子アンテナとする4素子2周波共用円偏波アレーアンテナの構成と特性を示す。 第5章では、アンテナ素子としての残された課題、及びアクティブアレーアンテナの最終目標に向けての課題について述べる。 第6章では、まとめとして、本研究で得られた結果について総括する。