飯塚啓吾
Tera Hertz Coherent Radar
Abstract:レーザ光の発振周波数は可なり簡単に大きく変える事ができる。
この事を利用して例えば、10,000GHzという大きな周波数変調を掛けたコヒーレント・レーザ・レーダを作ると、
解像度5 μmという従来考えられなかった解像度のあるレーザ・レーダの製作が可能になる。
もしも、この様な方式のレーザレーダが実現すれば被試験体の断面構造を破壊することなく
測定出来る様になるので、応用範囲は実に広い。
勿論、この様な機能を持つ装置はまだ世界中何処にも存在しない。
例えば、(1)複雑な屈折率パターンを持つdispersion shifted optical fiberやパンダ型光ファイバーの屈折率分布を紡糸工程中に、光ファイバを切断することなくファイバの側面よりその断面を観測することが出来る。
(2)光ICの分野ではmonolithicに一つの基盤の上に出来るだけ沢山の素子を乗せようという動向があ
るが、全体として各素子が同時に働かなければならない。しかし、一つ一つの素子自体が複雑であ
るため全体としての製造行程のyieldは低い。Tera Hertz Coherent Radarは欠陥検査を製作途上で、行うことができるので、yieldの向上に役立つ。
(3)又、もっと興味深い応用として、適当な波長を選択すれば、この種のレーダはマイクロチップの
3次元の透視写真を撮ることができる撮透視カメラにも発展する可能性がある。