TR-O-0003 :1988.6.24

塚本勝俊

偏光変調/直接検波方式に関する実験的検討

Abstract:本報告書は、筆者が昭和62年4月から昭和63年3月の間、ATR光電波通 信研究所無線通信第一研究室において、研修研究員として行なった偏光変調/直 接検波方式に関する実験的検討について、その研究成果をまとめたものである。 本報告書は、以下の5章より構成されている。 第1章では、まえがきとして、本研究の背景について概括し、本研究の目的、 意義を明らかにしている。また、本報告書では、偏光変調方式に関する研究の中 で、今回行なった直接検波方式に関する実験的検討について報告しているが、そ の全体計画における位置付けを明らかにしている。 第2章では、偏光変調方式における変調操作、および偏光変調信号の受信方式 である直接検波方式、ヘテロダイン検波方式について述べる。直接検波方式に対 しては、検波系モデルを示し、ショット雑音、回路系熱雑音を考慮した受信誤り 率特性の理論解析を行っている。次に、偏光変調方式がヘテロダイン検波によっ て位相雑音の影響を受けることなく情報の復調が可能であることを示し、さらに 検波系モデルを示した上で位相雑音、ショット雑音、背景光雑音を考慮した受信 誤り率特性の理論解析を行い、他方式との比較検討結果を示す。 第3章では、偏光変調/直接検波方式に関する実験システムを構成し、基礎通 信実験を行うことによって得られた結果を示す。まず実験系の全体構成を示し、 次に送信部に関して光源及び電気光学効果変調器について述べる。さらに受信部 に関して受信光学系、検波回路系について詳述する。最後に、測定によって得ら れた偏光変調信号の強度波形、周波数スペクトラム、誤り率特性を示し偏光変調 方式の評価を行なう。 第4章では、研究計画の第2段階である偏光変調/コヒーレント検波方式に関 する実験的検討を行なうにあたり、最終的な研究目的に向けての今後の実験方法 に関して述べると共に、これまでに行なった考察から明らかになった今後理論的 に検討すべき問題点を示す。 最後に、第5章では、結論として本研究で得られた結果について総括している。