TR-M-0056 :2000.2.29

磯野信介, 野間春生, 宮里勉

体感型マラソン中継システムにおける脈拍による 運動負荷推定を用いたランニングスピード設定法の提案

Abstract:従来の受動的なスポーツ観戦に代わる新しいスポーツ観戦方式として我々は体感型スポーツ中継を提案してきた。本研究ではその一環として体感型スポーツ中継をマラソン中継ヘ応用することを想定し、その際に用いる視聴者のための体感手段の開発を行った。体感型スポーツ中継とは視聴者がスポーツ選手の視野に立ち、実際に自分の体を動かし競技に参加することで、スポーツ選手の体験を「追体験」できる効果を狙ったものである。まず追体験の効果を高めるために視聴者のパーソナリティを考慮し再現する「広い意味での視野」を変換する必要性について述べる。次に体感型マラソン中継では特に視聴者とスポーツ選手の運動能力の格差を考慮して走行速度を再現する必要があるため、運動能力の格差を埋める手法を提案した。最後にこの提案手法を評価実験を通して有効性を確認した。これにより視聴者が体感型マラソン中継システムにおいてマラソン選手に近い運動負荷を感じながら走行することができるため、追体験の効果が高まることが期待できる。