TR-M-0036 :1998.4.10

五十嵐健夫, 門林理恵子

軌跡描画による3次元空間のナビゲーション

Abstract:仮想3次元空間のナビゲーション手法として軌跡描画によるナビゲーションを提案する。 これは、ユーザが希望する移動経路を画面上に直接自由ストロークとして描き、その上を辿るようにして視点が3次元空間内を移動するというものである。従来の方向転換と前進ボタンを組み合わせた移動に比べて、継続的に制御しつづけなくてはならないことからくる負担感を軽減できる他、目的地をマウスのようなポインティングデバイスで選択して直接ジャンプする方式に比べても、少ない手間で目的地とそこへいたるまでの経路と方向を同時に指定できるという点でも優れている。本稿では、この軌跡描画によるナビゲーションについて、その動作と特徴の説明を行い、デモンストレーションシステムと評価実験について述べる。実験の結果、軌跡描画によって作業時間の短縮は確認できなかったものの、ユーザの満足度の向上傾向を確認することができた。