TR-M-0015 :1997.2.27

本多聖久, 角康之

Haptic Interfaceを有するスプリングモデル を用いた概念空間操作システム

- 実世界指向のCSCWに向けて -

Abstract:力覚操作可能な概念空間操作システムを提案する。我々は現代社会においてビジネスや研究活動を行うにあたりコミュニケーション伝達等のグループ共同作業が必要不可決であり、コンピュータ・ネットワーク技術の利用はこれらを時間的・空間的な制約から解放する。本研究室ではこのようなCSCWのシステムとして概念空間の可視化というアプローチをとってきた。 本研究はこの概念空間を可視化するだけでなく力覚操作を可能にして概念空間の構造の把握を支援しようとするものであり、今回はHaptic Interfaceを用いることによる直接操作可能な概念空間操作システムの試作を報告する。概念空間はバネからなる力学系をモデルとし、オブジェクトのステータスは力学系の各パラメータに対応づけることができる。 フォースディスプレイを利用して実装したところ、つながった隣り合うオブジェクト同士はその構造を把握することができるが、直接つながっていないもの同士の構造は把握することが困難であった。これらの結果をふまえると、この手法は既存の概念ネットワークの構造を把握することよりもむしろオブジェクトを操作することにより概念空間を構成させる際に有効ではないかと予想する。