照井一由, 西本一志
音楽創作活動支援を目的とするフレーズヘの自動キーワード付与手法の検討
Abstract:我々は現在音楽の創作活動を支援するための手法ならびにシステムの研究を進めている．音楽の創作活動においては，楽曲内のフレーズの関係を把握すること，そして他者と意思の疎通を十分にはかり演奏意図を的確に汲み取ることが重要となる．これは，自然言語によって対話を行なう際の状況と酷似している．我々はこれまでに自然言語による対話を対象とし，対話構造を統計的手法を用いて空間構造として提示することによって，各発言の相互関係の把握と相互の意思疎通の円滑化を支援する対話環境AIDE(Augmented Infomative Discussino Environment)を開発している．そこで，このシステムを音楽情報に対して適用できるようにすれば，音楽創作活動を有効に支援することができるようになることが期待できる．この音楽創作活動支援用AIDEの実現のためには，フレーズにキーワードを自動的に付与する技術を確立することが必要である．フレーズのキーワードとしては、フレーズの輪郭情報に基づくものとフレーズの色彩情報に基づくものの2つが考えられる．本稿では，フレーズをデジタル信号処理の手法によって処理することにより，輪郭情報に基づくフレーズへの自動キーワード付与を行なった．