TR-IT-0152 :1996.2.23

谷口泰広,深田俊明

混合分布セグメントモデルを用いた母音識別実験

Abstract:本報告では、確率的セグメントモデルを混合分布化する方法を述べる。混合分布 モデルの作成方法として、(1)クラスタリング手法により混合分布を求める方法、 (2)EMアルゴリズムを用いたモデルの再推定により混合分布を求める方法、(3)平均 に加えて分散も時間変化の軌跡としてモデル化し、EMアルゴリズムによるモデルの 再推定を行なう方法という3つの方法を検討した。TIMITデータベースを用いた母 音識別実験を行なった結果、セグメントモデルの混合数を増加させることにより、 識別率が向上することが確かめられた。また、上記(3)の分散の時変モデル化は、 (1),(2)に比べて高い識別性能が得られ、このモデル化が有効であることが示された。 HMMとの結果の比較により、一つの音素を1状態で平均軌跡の回帰次数を2次でモ デル化したセグメントモデルは、5~7状態のHMMと同程度の識別性能を示すこ とが分かった。