荒川直哉
代名詞の先行詞推定に関する
センタリング理論の評価
Abstract:日本語談話中の代名詞的表現の先行詞を推定するシステムを作成し、先行詞候補の文法機能と
先行詞としての優先度との関連を調査した。センタリング理論によると、代名詞に先行する名詞句
はその表層格やトピックなどの文法機能によって先行詞候補としての優先度が異なると予測さ
れる。しかし今回の調査ではセンタリング理論での通説を裏付けるような優先度の違いは認められ
なかった。調査のために使用したコーパスは(株)ATR音声翻訳通信研究所が作成した旅行関連の
226会話である。