TR-IT-0125 :August 1995

Mutsuko TOMOKIYO

Starとポーズユニットについての検討

Abstract:本稿は、筆者の談話構造解析に使用しているStarという単位、音声認識結果のpause(ポーズ)の単位および、部分木文法を検討することによって、音声認識および談話構造解析にStarのもっている発話行為ラベルがいかに有効であるかを報告するものである。Starは発話行為理論に基づいて分割された、談話構造解析のための処理単位であり、解析のさなかで発話意図ラベルが自動的に付与される。一方、pause units(ポーズユニット)は音声認識結果における波形図が示す100ミリセカンド以上の無音期間である。ATRで開発された部分木文法は、このポーズユニットを意識した音声認識用文法である。調査結果は、Starの単位はほぼpauseの単位と一致し、Starの持つ発話意図ラベルと部分木文法を組み合わせることが、談話の音声認識から構造・意味・文脈解析をとおして有効であることを示している。