TR-I-0318 :1993.3

大井耕三, 隅田英一郎,飯田仁

超並列連想プロセッサIXM2を使った 用例主導型機械翻訳の超並列化手法

Abstract:用例主導型機械翻訳(EBMT:Example-Based Machine Translation)では、入力 に類似した用例(原文と訳文の対)を検索しそれを利用して翻訳を行なう。全用例と 入力との距離を計算するため、用例数の増大に伴って翻訳処理時間が増大するという 問題がある。そこで、EBMTの高速化を実現するために、EBMTの処理全体の中 で最も処理時間がかかる用例検索処理を、超並列連想プロセッサIXM2を使って実現 した。本稿では、IXM2上での超並列化手法について述べる。 IXM2に搭載されている連想メモリは、データに対する検索・書き込みなどが並 列に行なえるため、EBMTの用例データを連想メモリに格納することにより、EBMTの 用例検索処理の超並列化が可能となる。実験の結果、IXM2を使ったEBMTの用例 検索処理は、逐次計算機SPARCstation2に比べ約12倍高速化できた。これにより 自動翻訳電話に必須なリアルタイム処理を実現する見通しを得た。