TR-I-0220 :1991.3

定延利之,山岡孝行,飯田仁

協調的な目標指向型対話における文形式と発話者の意図との対応

ー文形式を重視した情報伝達行為の分類一

Abstract:発話された文の意味を考えるとは、[文形式]と[発話者の意図]とを結びつけることに他ならない。しかし単一の[文形式]で様々な[発話者の意図]を伝達できたり、また単一の[発話者の意図]が何通りもの[文形式]で伝達できたりと、結びつきの実態は複雑である。情報伝達行為とは、[文形式]と[発話者の意図]とを結ぶ重要な概念である。本研究では、相対的に処理が容易と思われる協調的な目標指向型対話を考察対象として、発話が果たす基本的な情報伝達行為を分類し、発話理解と談話構造構築の礎としたい。情報伝達行為の分類においては、形式面からの要請・意味面からの要請という2種の要請があるが、本研究では形式面からの要請を特に重視して情報伝達行為を分類する。さらに発話クラスターおよびアクション・ハイアラーキー構築のためのごく基本的な記述を行う。