TR-I-0201 :1991.3.20 ( Internal Use )

工藤育男

文脈処理を考慮した対話翻訳システ ム(DialTalk)の評価実験

Abstract:対話翻訳システム(DialTalk)の評価結果について述べる。このシステムは、 対話文固有の現象である省略や照応、代用表現の訳し分けなどを行っているとこ ろに特色がある。この翻訳システムは、語彙機能文法(Lexical-functional Grammar)をフレームワークにしたトランスファー方式を採用し、文脈的な現象 を処理するための処理機構を備えた構成になっている。開発に当たっては、ATR の対話データベースを利用し、解析用の辞書データ、変換辞書用の資料、文脈処理 部で使用する知識などを抽出した。文法規則は、キーボード会話300と呼ばれるタ スクの文法規則(多進木で約200)が用意されている。プログラムは、もとは英日 翻訳システムであったプログラムを日英システム用に一部修正したものである。 開発には、システム全体で約1人年を要した。このシステムの解析・文脈処理・変換 ・生成の各処理能力について評価実験を行い、現状の技術でどこまで可能なのかを 予測し、今後の課題について考察した。