稲垣英浩, 海木延佳, 匂坂芳典
品詞情報による音韻継続時間長の分析
Abstract:多様な口調をもつ音声の合成を目標に、韻律制御規則の検討を行った。
ここでは音韻継続時間長の制御、すなわち朗読調の文章における音韻継続時間長は、あ
る程度の精度で設定できるため、この時間長をもとに、通常の会話でのロ調における音韻
継続時間の設定を考察し、誤差の分析を行った。その結果、誤差の最小値は、朗読調で
26.84%、会話調で41.57%であった。おおまかに言って後者は前者の1.5倍の誤差が現れるこ
とが判った。
次にその誤差の著しく現れている部分について誤差を分析した。その結果、促音化し
ている部分や、文末の強いニュアンスをもつ終助詞の影響がみられた。感動詞や逆接の
接続詞の影署も予想したがはっきりとはあらわれなかった。