TR-H-0303 :2001.1.30

吐師道子

X線マイクロビーム 日本語データベースハンドブック

Abstract:X線マイクロビーム日本語データベースは、1993年から1998年の間にウィスコンシン大学マディソン校、ワイズマンセンターに設置されたX線マイクロビーム装置を使用して収集された。このデータベースは先行する英語版X線マイクロビーム言語産生データベース(X-ray microbeam speech production database, Westbury, 1994 ;以下英語版データベース)と同様の根拠と目的をもって作成され、その特色は(1)調音と音声の同時観察を可能とする同期した調音運動と音声データ、(2)調音研究のデータとしては例外的な多数の発話者(N=19)、(3)様々な主題での研究を可能とする広範囲にわたる発話材料、にある。これらの特色は、言語産生の研究史上ほとんど例をみない「正常な調音運動の統計的記述」の可能性を開き、言語産生理論の研究においては充分な情報に基づいた仮説の生成を可能にする。 本ハンドブックはX線マイクロビーム日本語データベースのための簡略な手引き書として作成された。このハンドブックは英語版データベースのハンドブック(Westbury, 1994、http://www.medsch.wisc.edu/~milenkvc/tools.htmlからダウンロード可能。日本語データベース中ディレクトリ” handbook”内にもubdbman.pdfというファイル名で収納されている。)と共に読まれる事を前提としており、技術的情報はそのほとんどを英語版に譲り、英語版と異なる点のみを補足している。