TR-H-0136 :1995.3.27

竹本浩典

ヒトおよびチンパンジーの舌筋の比較研究

Abstract:化石人類の声道を復元し、発話モデルを構築するための基礎研究の一環として,ヒトおよびチンパンジーの舌筋の比較を行った。舌の内部はヒト、チンパンジーともに正中断面で4層に分けられる。深層から順に、第1の層はオトガイ舌筋のみで構成され、第2の層はオトガイ舌筋と横舌筋が交互に重なり並び、第3の層はオトガイ舌筋と上縦舌筋が直交し、最上の第4の層は舌粘膜が舌粘膜下組織および舌腱膜の上を覆い、かつ舌の最表層をなしている。また、ヒト、チンパンジーともオトガイ舌筋のすぐ外側を垂直舌筋が走っており、これらの2筋はともにその前後を横舌筋に挟まれていることが明らかになった。