TR-H-0130 :1995.3.1

志沢雅彦, 向出隆信

オプティカルフローからの多重運動立体視の計算機実験

Abstract:従来、動画像から複数運動を推定するアルゴリズムには、画像のセグメンテーションとの同時協調処理か、または、パラメータ空間に対する投票法であるHough変換を用いるのが一般的である。 ATRの志沢主任研究員は、演算子形式の重ね合わせの原理を導入し、複数運動へ拡張した基本拘束方程式を得る一般的手法を提案し、この方程式を用いて、厳密な透視投影を仮定して、2重運動の並進・回転運動パラメータの準最適解を得る閉形式の線形アルゴリズムを提案した。 このアルゴリズムは、次のような特徴がある。

・普通のセグメンテーション手法において必要とされる制約条件の多くが不要

・画像面上におけるデータの局在性の仮定が不要

・画像の各点に複数のフローベクトルが存在する多重オプティカルフローであっても良い

本研究では、行列計算用言語MATLABを用いて、このアルゴリズムをプログラミングし、結果として導出される物体の運動パラメータおよび構造パラメータを2・3次元の図で出力することを目的とする。