TR-H-0118 :1995.1.9

川人光男

一般化線形モデルによる発火頻度解析

Abstract:少ないトレース数や、低い発火頻度のデータの場合にも使える、発火頻度解析の一般化線形モデルを提案する。これは、次のような仮定に基づいている。限られたトレース数mで、観測される発火スパイク数Yは事象の生起確率πの二項分布にしたがっている。生起確率πは、ある時間の関数の線形結合に、ロジスティック関数の逆関数であるシグモイド関数を施したもので表わす。線形結合のパラメータの最尤推定値は、少ない回数で収束する繰り返しアルゴリズムで求めることができる。推定値の分散(信頼度)も簡単に評価できる。Yを無限大にした極限では、モデルの信頼性を尤度比(もしくはデバイアンス)で評価することができる。この条件が満たされない場合にも、2つの階層的モデルのどちらが、よりよいモデルかは、2つのモデルの対数尤度の差の2倍が、パラメータ数の差の自由度を持つカイ自乗分布になるので、統計的に決めることができる。