林幸雄
人工ニューラルネットワークによる
時空間パターン処理に関する研究
Abstract:本研究は、非線形システムである人工ニューラルネットワークの複雑な挙動を、情報処理に
積極的に利用することに関して1つの試みを行ったものである。この際、時間変化を伴う動的な
軌道を情報処理機能に対応付け、かつ、外部入力などによって情報処理機能のスイッチングを行うことが重要であることを指摘した。そこで、これを実現する具体的モデルとして提案された発振
ニューラルネットワークの挙動を部分的に解明し、その軌道の多様性と可制御性の特徴を利用した具体例によって、時空間パターン処理への応用可能性を示した。但し、上記のモデルの複雑な挙動の詳細や、より実際的な応用課題に対しては、まだ多くの課題が残されているが、このような
方法論が有益となることを期待したい。