Noriaki KUWAHARA
フラクタルを用いた仮想空間中の樹木形状の高速表示技術の研究
Abstract:本論文は,臨場感通信などの人工現実感の応用において,今後,複雑化,高度化していく仮想
空間を3DCGを用いて表示する際に,十分な視覚的臨場感と対話性を実現する手法についての研
究をまとめたものである.1~2章では,本研究の背景と目的,位置付けについて述べた.本研究
では,複雑化,高度化していく仮想空間の例として,特に樹木の多数存在する仮想空間を対象とし,
これを表示するための,本研究でのアプローチについて述べた.3章では,樹木のような複雑な形
状に対してフラクタルを用いた形状簡略化が有効であることを示し,これを高速樹木画像生成に応
用するための簡略化形状の多重化方法について述べた.4章では,3次元樹木形状のフラクタルモ
デルを,その正面図と側面図をもとにして自動的に再構成する手法を提案し,この手法により,実
写樹木画像からそれによく適合する3次元樹木形状が再構成できること述べた.5章では,簡略化
した樹木形状を仮想空間表示に用いる場合に,利用者に簡略化形状であることを意識させない表示
を可能にする画像生成方法について述べた.6章では,本研究の総括と今後の展望について述べた.