TR-C-0119 :1995.4.18

西本一志

連想記憶を用いた異質性を含む情報の抽出手法の検討

Abstract:本テクニカルレポートでは、仮想門外漢システムを構成するための一要素としての、異質性と関連性とを併せ持つような情報抽出手法について説明する。このような性質の情報には、発散的思考過程において人の固定観念を打開し、発想を刺激する作用があると考えられる[川喜田67]。 第2章では、関連性があると同時に異質性がある情報を人がどのようにして獲得しているか、そしてそのような情報によってどうやって固定観念が打開されるかを、簡単な例を用いて考察する。第3章では第2章での考察に基づき、異なった視点からの情報抽出を実現するための「門外漢モデル」を提案する。第4章では門外漢モデルに基づき作成した実険システムの基本的構成を説明する。第5章では固定観念について考察するとともに情報の関連性と異質性についても詳細に検討を加え、情報提供型の発散的思考支援ツールの有効性評価方法を提案する。第6章では実険システムを用いた三つの実険をを行い、この結果に提案した評価方法を適用し、門外漢モデルに基づく本システムの有効性の評価や動作の検証を行なう。第7章では、今のところ実装されていないが今後必要となると思われるいくつかの機能について、その実現方法を説明する。