TR-C-0071 :1991.11.14

垣谷恵三

3次元画像モデルデータベースのアクセス・指示法の研究

Abstract:臨場感通信会議等の高度な通信システムにおいては,協調作業や遠隔地点とを結んだ臨場感の発生が将来の重要なテーマである。ここでは協調作業の実現に必須の3次元画像モデルデータベースヘのアクセス・指示法が重要な問題となると考えられる。特に画像中の個々のオブジェクトに対するアクセス・指示法や,複数の作業者間との通信・アクセス手法を検討していく必要がある。画像中へのアクセス・指示法の研究としては,手形状・手の位置が検出でき直観的な操作が可能なデータグローブTMによる仮想空間操作やデータグローブTMと言語指示を併用して地図上の建物等の名称を検索させる地図案内システムIMAGEの提案がある。さらに言語処理による画像へのアクセス・指示の研究としては,自然言語テキスト入力から対象世界の再構成を行う実験システムSPRINT、ニューラルネットを利用した画像・図形生成と言語のインターフェース確信度関数を用いて2次元空間中で指示言語を定量化した画像検索システムSPADE,3次元モデル世界における言語によるシーン探索・記述システム3D-SPARSや3次元モデル世界生成システムを構成する提案等がある。 本レポートにおいては,画像中のオブジェクトヘのより抽象的なアクセス・指示法と複数端末を用いた協調作業の実現をねらった3次元モデル中のオブジェクトの移動手法の検討を行った。具体的にはSUNワークステーションにインストールされた市販の3次元CGソフトウエア(HOOPS)を利用したアプリケーションプログラムを作成し、問題点の抽出を図った。 なお、本研究は1991年10月7日より11月1日までの約1ヶ月間に、同志社大学工学部からの学外実習としてATR通信システム研究所で行なったものである。