KENJI AKIYAMA, YUKIO KOBAYASHI
奥行き歪に関する一検討
Abstract:近年の技術の進歩にともない「そこに存在するが如く、聞き、見、触れたい」という様な臨場性のある通信への要求が高まってきている。私たちは、この様な「あたかも自分がその空間に存在する様な環境を人々に提供することができる臨場性のある通信」を臨場感通信と呼んでいる。臨場感通信システムの実現は、情報通信全般に大きなインパクトを与え、人々の社会生活をさらに豊かなもの、より良いものにするものと思われる。
臨場感通信のサービスイメージとしては、会議サービス、(会議のアプリケーションとして)イメージクリエータ、模擬体験サービス等が考えられる。臨場感通信システムを実現するには、空間を違和感なしに再現する技術を開発する必要がある。すなわち、このような臨場感通信サービスを実現するためには、
・観察者の立場で、見たい所から自由に見れる受けて主体の表示、
・実空間と表示空間との連続性が得られる表示、
・奥行き歪のない表示、
等の特徴を有する表示技術の開発が望まれる。特に、会議サービスにおいては、
・相手の視線の方向が分かる表示、
・視線の一致が出来る表示、
等の特徴を有する表示技術も要求される。
本稿では、臨場感通信システムを実現するための要素技術である表示技術について、表示方法と奥行き歪に関する検討結果について述べる。