TR-C-0011 :1988.7.7

加納康男,高橋友一,木下茂行,小林幸雄

対話と係り受け情報を利用した 文献検索システムの研究

Abstract:利用者との対話によって曖昧な検索要求から要求概念が明確化でき、利用者自身の言葉を用いた検索要求文から必要なキーワードを抽出して、意図する文献が検索できるシステムの研究について述べている. このために、利用者毎の概念構造(ユーザモデル)を持ち、利用者との対話によってユーザ モデルを構築し、このユーザモデルを利用して利用者が表明しなかったキーワードを推論するシステムを検討している.ここでの目的は、このようなシステムにおけるユーザモデルの知識表現方法、ユーザモデル上で意図を推論してキーワードを抽出する方法、ユーザモデルを対話から構築する手法およびキーワードによる論理式を合成する手法を導くことである. 論文では文献検索システムにおける研究の位置づけ、ユーザモデルを用いた他の研究例、研究の位置づけと問題点、文献検索システムの構成と機能、具体的メカニズム、評価方法について述べる. これより利用者自身の言葉でシステムと対話することができ、利用者の要求の言外の意味を 理解するための基本技術の検討と評価が行なえる。