TR-C-0009 :1988.1.28

立平靖,秋山健二,小林幸雄

立体画像信号の伝送に関する一検討

Abstract:通信技術の進歩は、通信に於ける臨場感を増加させていき現在ではテレビジョン画像を通じて会議を行うことさえ可能になっている。そして将来は、相手のいる場所のすべての感覚が伝送され受信できるという極めて臨場感の高い通信システムも考えられる。問題を視覚に限定すれば、現在2次元で与えられている画像を立体化することは視覚系に与える臨場感を飛躍的に向上させるであろう。 立体画像通信を行うためには人間の立体視知覚特性に整合した立体画像システムの設計を行うことが画質の面と伝送効率の面から重要である。本報告書では、人間の視覚特性に整合する立体画像の伝送システムを確立するための基礎データの検討についてのべる。本報告書の内容は次の通りである。 第1章で、一般に立体画像とよばれるものについて分類し研究対象を明らかにする。第2章で人間の立体視特性と整合のとれた立体画像の特性を検討するための課題について述べる。第3章で人間の立体視の性質に関する基礎研究を概観し、検討を行う上で必要な立体視の性質のデータとは何かを明らかにする。第4章で検討課題に関する具体的なアプローチ方法を述べる。最後に第5章で立体画像信号の情報圧縮を行う場合に考えられる方法について構想を述べる。