TR-C-0003 :1987.7.7

大村和典,秋山健二,小林幸雄

視点の動きを利用したマンマシン・インタフェースに関する研究

Abstract:近年、コンピュータシステムの、処理の高速化、記憶装置の大容量化により、複雑かつ豊富な機能を実現出来るシステムが開発され、広く普及しようとしている。 このようなコンピュータシステムの高機能化に伴い、それらをユーザーが容易に使いこなせるような、高度なユーザーインターフェースが要求されている。 さて、従来のコンピュータと人間とのインターフェースを考えてみると、キーボードからの文字入力及び、ディスプレイによるメッセージの表示等、言語を中心としたインターフェースが一般的である。現在、高解像度ビットマップディプレイによるマルチウィンドウやアイコン表示、またマウス等の指示装置を用いることにより、ユーザー・インターフェースの向上が計られつつあるが、未だ十分にユーザーフレンドリなインターフェースを実現しているとは言い難い。 一方、人間どうしの会話を考えると、言葉による情報の伝達だけでなく、相手の表情や身振り等から相手の意図を推測しながら円滑な対話を行っていると考えられる。特に目の動きは、相手の意図を判断する上で重要な役割を果たしていると思われる。 本研究では、人間の表情、特に視点に着目し、視点の動きから得られる人間の意図情報を利用した円滑なマンマシン・インタフェースの実現を目的としている。