TR-C-0002 :1987.10.7

肥塚隆,秋山健二,小林幸雄

3次元画像通信に関する基礎研究

Abstract:メディアの多様化、コンピュータの利用、周辺技術の進歩などに伴って、通信システムの高度化が進んでいる。しかしながら通信本来の目的は、人間どうしの、あるいは人間とシステムとの「意思の疎通」であり、通信システムがどれほど複雑化しても、その主体はあくまで人間でなければならない。即ち通信システムにおける将来像は、人間にとって「わかりやすい」、「使いやすい」、「作りやすい」ものでなくてはならない。 ところで、人間は言語や音声以外にも動作や絵などの画像を用いて、より理解を深めあったり、共通の認識を得たりすることが多い。換言すると意思疎通の場において視覚を有効に利用することができる。将来の通信を考えると、高精細度であることと同時に、あたかもその「場」にいるが如く錯覚できる程度の臨場感が得られることが重要である。 従来画像通信に関する研究において臨場性を追究する研究は少ない。本研究においては、通信システムの臨場性を追求することを目的とし、まずその基礎となる3次元画像通信システムの基礎研究を行う。