TR-A-0082 :1990.4.19.

平原達也,鈴木真一,上田和夫

聴覚実験用ヘッドホンの歪率の測定

Abstract:音刺激を用いる各種の聴覚実験を行なう場合には、電気-音響変換トランスデ ューサであるヘッドフォンを用いることが多いが、このヘッドフォンの諸特性は 実験者の意図するとおりの音刺激を被験者に呈示できるか否かを左右する。従っ て、このヘッドフォンの諸特性を予め把握しておくことは、聴覚実験の再現性、 信頼性を向上させるために重要である。 本レポートでは、いくつかの市販のヘッドフォンの歪特性-入出力特性・全高 調波歪率・混変調歪率-を物理的に測定した結果について述べる。 結論としては、ヘッドフォンによって各歪特性は多少異なるが、発生する歪の 量は少ないことがわかった。その中でも、最も歪が少ないヘッドフォンはSTAXの SR-Lambda Pro.であった。