認識実験2では、Toy-Problemからの脱出する大規模なニューラルネットの構築方法を検討し、手書きひらがな認識(71カテゴリ)を試み、小規模なネットワークを階層的に統合して大規模なネットワークを構成する方法を提案し、実験の結果、小規模なネットワークの平均認識率を大規模なネットワークが上回った(98.6>97.2学習サンプル)。また、小規模なネットワークでの情報の統合を容易にすることを目的として"その他セル"を考案し小規模なネットワークの出力層の一ユニットとして付加した。ただし、情報の統合に失敗したカテゴリも少数だが存在する。
JIS第1水準(約3000文字)手書き漢字を認識するシステムの構築を目指した認識実験3では、3000文字の中から選出した手書き漢字270文字の認識を試み、情報統合能力を上げるために、小規模なネットが担当するカテゴリをK-Meansクラスタリング手法で選出した。また、小規模なネットワークが自己の担当範囲外の入力に対して自己の出力を抑える機構を、学習効率を考慮して小規模なネットワークに持たせずにLVQを利用したフィルターを利用して行い、認識率がフィルターのない場合の55%から74%に向上した。