上田和夫,岡田斉,東倉洋一
単音節のダイコィック・リスニング:
耳の優位性における個人差、刺激の優位性
Abstract:ダイコティック・リスニングの実験において、「刺激の優位性」の影響
を減少させ、「耳の優位性」による左右差を精度よく取り出すことを目的として、
PARCOR合成した単音節/ba/, /da/, /ga/ を用いた心理実験を行なった。まずダイ
オティック・リスニングにおいて二音節間の音圧バランスを調整することにより両
者の明瞭性をバランスし、被験者ごとに調整された音圧バランスでダイコティック
・リスニングの実験を行なった。その結果、音節間の明瞭性のバランス点が被験者
によって大きく異なること、音節の組合せによって被験者内での左右差が変化し、
その順位により、被験者をいくつかのグループに分けられることがわかった。さら
に、刺激の優位性を消去するための効果的な実験方法について考察した。