TR-A-0028 :1988.4.26

西村耕也,佐藤隆夫,大沢五住

誘発電位記録解析システム

Abstract:ATR視聴覚機構研究所視覚研究室では主として両眼視、運動視に関して、視覚誘発 電位(視覚刺激によって誘発される脳波反応)を指標とした実験を行っている。この資 料では、現在実験に使用しているSystemの概要を説明した。このSystemは、生体信号増 幅処理に日電三栄7T18、刺激呈示用にMASSCOMP MC5600(Work Station)を用い、さらに Data Recorder、Personal Computerなどを組合せた構成となっている。 本Systemの最大の特徴は、多種の刺激をランダム順に呈示する実験に対応している点 である。基礎的研究においては臨床検査とは異なり、刺激パラメータを多段階に変化さ せる必要があることが多い。したがって、誘発電位信号を条件毎に仕分けし、処理する ことが必要となる。しかし、市販の脳波記録装置でそういった実験に対応できるものは ない。今回のSystemでは、刺激呈示用Computerと信号処理用Computer間の対話を実現す ることによってこの問題に対処している。また、Datarecorderには、条件に関する情報 を直流電圧として脳波信号と同時に記録し、実験後のOff-Line処理においても条件に関する情報が得られるようにした。 本Systemは、視覚研究室で実際に使用され、充分実用になる事が実証されている。今 後、さらに多種の実験に対応できる柔軟性の向上、信号処理の高速化などの改良を進め る予定である。