TR-A-0022 :1988.3.18

上田和夫、赤木正人

音の鋭さと振幅包絡

Abstract:200ms以下の広帯域雑音の振幅包絡の形、ピーク音圧レベル、持続時間の違いが、鋭さ、明るさに与える影響を調べることを目的として、一対比較法による心理実験を行い、多次元尺度法による分析を行った。さらに極限法、調整法により鋭さの主観的等価点を求める実験を行った。その結果、鋭さの判断に大きな個人差が存在すること、鋭さの判断の個人差は音の大きさと主観的長さの二つの心理次元の重みの違いとして説明できること、振幅包絡の形が音の鋭さに影響すること、実験で用いた刺激について明るさの判断を行うのは困難であること、がわかった。