TR-A-0011 :1987.8.13

横澤一彦,梅田三千雄

ATRタキストスコープ制御ソフトウェア - ATRTSPとグラフィックコンパイラ -

Abstract:高度なマンマシンインターフェースを実現する為には、人間の行動特性を詳細に調べる必要がある。そのためには、人間の視覚、聴覚、記憶、思考などの諸特性を調べていかなければならない。特に、人間の視覚機構ではそれを解剖学的、生理学的に調べることが難しいので、主に心理物理学的、認知心理学的に調べることになろう。 視覚機構を心理物理学的、認知心理学的に調べる為には、被験者としての人間に何等かの視覚パターンを刺激として提示して、被験者から何等かの反応を採取できる装置が必要である。しかも、例えば文字の認識過程などを分析するには、人間が1文字を数十ミリ秒という早さで認識し終わってしまうので、高速の視覚刺激提示装置が必要である。 現在のエレクトロニクス技術を駆使すれば、1ミリ秒単位で提示時間を正確に制御できる高速視覚刺激提示装置の開発は可能である。 そこで視覚研究室では、先に高速視覚刺激提示装置としてATRタキストスコープ1)を開発した。本報告では、この装置の制御ソフトウェアとその利用法について解説する。